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行動心理学に基づいたロスカット

私は医者ですから、相場についてもついつい医師としての目で考えてしまうことがあります。その最たるものが損切りについてです。人間はなぜ損切りをできないのでしょう。それは「できれば損失を回避したい」という心理が働くからです。そして、100万円の利益による喜びよりも100万円の損失による痛みのほうが強く感じるからです。読者のみなさんは、「1000万円を70%の確率でもらえる」という提案と「700万円を確実にもらえる」という提案のどちらかを選べといわれたらどちらをとりますか。統計的にいえばどちらも期待値は同じですが、預金を好みリスクをとりたがらない多くの日本人は700万円確実にもらえるほうを選ぶのです。これが投資においては「利益は早く確定したい」という行動に現れます。一方、「700万円確実に損する」という状況と「30%はまったく損しないが70%は1000万円損する」という状況だとしたらどちらを選ぶでしょう。まず間違いなく、後者を選ぶのではないでしょうか。人間はリスクを回避したいと考え、万が一リスクを被らない可能性があるならその賭けをしようとするのです(たとえその賭けに敗れるとさらに多くのリスクが待っているとしても……)。これが損失を塩漬けにしてしまう心理です。決済してリスクを限定させることをせず、元の値段に戻るのを期待してリスクを大きくしてしまうのが人間の行動心理なのです。こうした心理に打ち勝つ方法の一つが、逆指値を使うことによってロスカットを行なうことだということです。