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「オーストラリア英語」との遭遇

考えてみると、当時、日本のテレビではCNN(アメリカのニュース専門のテレビ局)もなければBBC(イギリス放送協会)もなく、わたしが聞いていた英語は、本当のネイティブ(英語を母国語とする人)の語彙やスピードで話されたものではなかったわけです。英語番組のインタビューなどは、日本人に聞かせることを意識して、はっきりした発音でわかりやすく話されていたものだったのです。あるとき、オーストラリアで、電話料金がいつもの月よりかかりすぎているという通知が来たので、電話局に電話をしたところ、「お名前は?」と訊かれて、「ササノ・スーエイーエスーエイーエヌーオー」と答えました。すると、相手は「ああ、エスーアイーエスーアイーエヌーオーね」と言うではありませんか。「ちがう、ちがう、エスーエイ・エスーエイーエヌーオーです」と言うと、向こうは「だから、エスーアイーエスーアイーエヌーオーと言ってるでしょ、少々おかんむりです。ここでハツと気づいたのは、相手はちゃんと「A」の発音をしているということです。「A」が「エイ」ではなく、「アイ」と聞こえるだけのことだったわけです。ちなみに、「オイ」と言われてなんのことかわからずキョトンとしていたら、これが「アイ(肩の)」のことでした。

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