「昨年プラダがトレンドを作ってから、弊社のファー・ティペットがとてもよく売れたのは事実です」。ナブロ社の専務取締役、ブルース・ナカイもそう言っている。この会社は、二〇〇〇年九月にラクーンアライグマやフォックス、ラビットのティペットを約六〇〜二五〇ドルで販売し始めた香港のメーカーだ。「でも、プラグ製品が市場に出る前から、弊社は新しいファー・ネックウェア類を試作していたんです。実は、ティペットは昔ヨーロッパの裁判官や聖職者が身に付けていたものなので、デザインとしては新しいわけでも特別なわけでもないんですよ」。確かに、それまでも、そしてそのシーズンも、毛皮を使ったデザイナーは大勢いた。九〇年代後半、毛皮人気は確実に上昇してきていたのだ。九〇年代半ば頃から、小売業者の売上増加の報が流れるようになり、一九九六年には、デトロイトのフリッカー=チュニス・ファーズ社が二五%の伸びを示している。ダラスとサン・アントニオにあるモリス・ケイ&サンス・ファース社は一五%増、ニュージャージー州フレミントンのフレミントン・ファー社は二五%増。かなり前から、ジャーナリストたちが毛皮の復活を吹聴し始めていた。