eビジネスとはどんなものか。代表的なドットコムカンパニーを例示しながら説明しておこう。前述したように、eビジネスは動きが速い。多少ともインターネットやeビジネスを知っている人には旧聞に属する話題も多いかもしれないが、現象面よりもeビジネスの「勘どころ」を抽出しながら、ビジネスにおいてインターネットがどのように使われていくことになるか、その潮流を探っていくことにする。経済学ではよく「情報の非対称性」という言葉が使われる。商品を売る供給者側と買う消費者の側とでは、その商品に関して持っている情報がまったくアンバランスになっているということだ。そのわかりやすい例として引き合いに出されるのが中古車市場である。中古車を買うとき、ディーラーが中古車の下取り価格から事故歴にいたるまで、あらゆる情報を握っているのに対して、買う側にはほとんどのことはわからない。つまり情報は圧倒的に供給者の側か握ってきた。インターネットがB2C(企業と消費者間)の市場において与えた最大のインパクトは、こうした「情報の非対称性」を突き崩したという点にある。情報コストが極端に安くなり、ネットワークが消費者につながったことによって、消費者の受信できる情報の質と量が飛躍的に向上したのである。