住宅金融公庫融資が受けられる物件には「公庫融資対象」と「公庫融資付き」の二つの種類があります。前者が「公庫の建築基準に適合しており、融資の対象になる」というだけであるのに対して、後者は「分譲事業者があらかじめ公庫の審査を受け、融資額が確定している物件」という違いがあります。公庫融資付きの物件は、あらかじめ住宅の内容や販売価格などを公庫がチェックし、それらが適正であることを確認していますから、変な物件が混じることがありません。そういう意味で安全・確実ということが言えます。したがって、このいずれを買うべきかと問われれば、どちらかと言えば公庫付きがお薦めということになります。ただ、公庫付きだからといってとくに品質が良いということではありません。公庫の建築基準に適合していて、分譲価格が常識の範囲を逸脱していないということであって、何か特別な利点があるわけではないのです。公庫融資対象物件も公庫の建築基準をクリアしなければなりませんし、販売競争が激しい環境では妙な値段が付けられないのですから、一般的には、この両者にはほとんど差がないことになります。「公庫付きは審査が厳しいので物件が優秀」などと解説をしている本もありますが、公庫融資対象外の物件も含めればそうした言い方は間違いではないものの、あまり親切なアドバイスではありません。公庫融資付き物件と公庫融資対象物件が違う点を挙げれば次の三点です。「(1)公庫融資付きは住宅ごとに融資額が異なっているが、総じて公庫融資対象物件より融資額が大きい(2)公庫融資付きは必ず公庫融資を利用しなければならないため、所得証明が取れないような人には買えない。すなわち、身元の不確かな入居者が混在しにくいので近隣関係がスムーズにいきやすい。融資対象物件は必ずしもそうではない(3)公庫融資付きは、割高な「専有卸し物件」がないが融資対象物件にはある。」なお、別の視点から公庫融資付き物件のメリットを挙げれば、公庫が行なっている「住宅債権積立」を行なうことによって、収入基準(通常は返済額の5倍以上)の月収が「4倍以上」に緩和されます。さらに、この積立をすることで別枠で加算融資が受けられるようになっています。隠れた大きなメリットと言えそうです。興味のある人は公庫から資料(愛称「つみたてくん」)を取り寄せて研究してください。